フォーシーズン分類の問題点
カラーアナリストの多くは、フォーシーズン分類法で、カラー診断を行っていくうちに、まもなく、日本人はこの4タイプでは、すっきりと割り切れないという、もやもやした思いが沸き起こります。
テストカラーでのチェックの段階で、すぐわかるような、それぞれのタイプの特徴的な方ばかりではありません。
もともとアメリカで開発された、フォーシーズン分類法の対象となっていた人達のことを考えてみれば当然とも言えます。
アメリカは多民族国家ですから、肌の色も目の色も髪の毛の色も多種多様。
その中で、日本人はと言えば、肌は明るめで髪は真っ黒。だから、ハイコントラストなウィンタータイプとひとくくりにされる。っというような話まで耳にしたことがあります。
そりゃあ、ブロンドで白い肌で、青い目の人から見れば、髪の毛真っ黒だったらハイコントラストであることには、間違いないわけですが・・・
もちろん、フォーシーズン分類法でも、すっきりこれまでの悩みが解決して、洋服の色、メイクの色を変えることで、見違えるように美しくなられる方もいらっしゃいます。
イエローベースの洋服ばかり着ていた方が、ブルーベースのサマータイプだった。とうことが分かった方は、その後の変化が特に分かりやすく、効果は絶大だったようです。
ご年配の方の洋服は、どういうわけか、オータムタイプの暗い色調の物が多いため、そして、もう「年だから」という理由で、地味な色ばかり選んできた方が、実はブルーベースのサマータイプだったということがわかれば、ベースカラーを変えたり、もっと明るい色を身につけることができるようになります。
また、答えは、ご自身の中にあった。ということが分かる方もいらっしゃいます。
今までの経験から、似合ったり似合わなかったりしたことの「理由」はアンダートーン(ベースカラー)の違いだったというようなことが分かって、すっきりした!!という方々です。
ところが、アンダートーンですっきり分けられなかったり、フォーシーズンのカラーパレットに好きな色がなかったりして、どうにも割り切れない思いを抱いてしまう方が多いのもまた、事実です。
従来のフォーシーズン分類法のパレットにある色はわりとはっきりした色が多く、鮮やか過ぎてしまい、日本人には、もうちょっと優しい色合いや、グレイッシュな色合いがカラーパレットに欲しくなってくるのです。
●サマータイプでも、もう少しし、グレイッシュな落ち着いた感じのブルーベースの明るめの色が欲しい。
●スプリングタイプの色を着こなせるのは、よっぽど、若々しい雰囲気の人でないと無理。オレンジや黄緑なんて、着れない。
●スプリングでもオータムでもなくて、イエローベースなんだけど、もっとソフトなアースカラーが似合う。
●ブルーベースなんだけど、サマータイプでは、物足りないし、ウィンタータイプほど、強くはない。
●ベースカラーで分け切ることができない。ベースの違いがあいまい。
などなど。
こういった点を、どのように、お客様に説明するか、アナリスト達は現場で、知恵を絞り、 説明用に布地を買い足したり、雑誌の切り抜きを集めて、実際のスタイリングに応用するための方法として、提示したりしてきました。
そんな試行錯誤の果てに、フォーシーズン分類法からさらに進めてオリジナルのカラーパレットを考案し、独自の分類法を樹立している方々もいらっしゃいます。
また、診断そのものは、間違っていなくても、ご本人の嗜好の問題もあります。
オータムタイプって言われたけど、モノトーンが大好きで結局モノトーンしか着ないとか・・・それは色々。
フォーシーズン分類法というのは、一つのスケール=物差し として捉えればよいのではないでしょうか。
その物差しを基準に分類してゆくと、あなたは、この当たりにいますね。っていうことが分かるだけで、他のグループの色は絶対に着てはいけません。とかいうことではありません。
似合う色を提示するという意味では、カラーパレットの色には工夫が必要で、パレットの色をそのまま洋服の色にあてはめることは難しいようですが、物差しとして考えたらなら、たくさんある色の洪水のような中にあって、おおまかに4つのグループにわけて考えると、きれいな色の組み合わせをつくることが格段に早くなることは、間違いのないことだと思います。